チンチラの子宮蓄膿症

エキゾチックアニマル

メスのチンチラAちゃんですが、数日の食欲低下、排便量の低下を訴え来院しました。触診で、腹部に柔らかい塊が触知されたため、また、消化管うっ滞確認のために腹部X線検査を行いました。

消化管を圧排するように大きな病変部がお腹の中を占拠しています。続けて行った超音波検査で、病変部内に液体が貯留していることがわかりました。外陰部から膿の排泄はなかったのですが、子宮蓄膿症を疑い、開腹手術で病気の確認と子宮卵巣の切除を行いました。

切除した子宮卵巣(子宮に大量の液体が貯留している)
子宮内の液体は膿であった

手術で子宮に大量の液体が貯留していたため、子宮卵巣を切除しました。培養検査・病理検査は行いませんでしたが、貯留物は膿であったため、子宮蓄膿症と診断されました。幸い、術後早期に食欲が戻り元気になりました。

Aちゃんのように比較的早期に治療できた場合には、治療できるケースがほとんどですが、状態が悪化してしまうと治療できないことも考えられます。食欲が落ちてきた場合には、メスであれば子宮蓄膿症である可能性もありますので、ご相談下さい。