猫のGちゃんです。外から帰宅したら、後足で立てなくなっており、来院しました。X線検査の結果、右腸骨・恥骨・坐骨に骨折が認められました。骨盤骨折は、骨折だけでなく、膀胱や尿管、腸など内臓が損傷している場合や、脊髄にダメージを負っている場合など、高い確率で合併症が存在します。慎重に身体検査を行い、合併症の有無を検討します。また、骨盤骨折を放置すると、変形癒合の結果、将来排便が困難な状態になることもあります。
後日、Gちゃんの手術を行いました。骨折部が股関節に近いところにありましたが、プレート固定で治療することができました。術後は、神経損傷による排尿障害、腹部臓器の損傷による合併症が懸念されましたが、１週間ほどで自力で歩行するようになり、排尿障害もなかったため、無事に退院出来ました。骨盤骨折の術後に、整復した骨折片が動いて骨盤が狭くなったり、関節障害が起こることもありますので、定期的な検診をお勧めします。
